会社を休んでしまった日

明後日には元々計画休暇の予定もあるのに、当日連絡で会社を休んでしまった。


一番辛い時よりはマシになってきてるけど、その分、周りと自分との差が気になってきてしまった。
鬱になった原因はなんとなくわかっていて、それはもう解消されているようには思うけど、一回脳が疲れてしまうと、回復するのに時間がかかるというのは、いろんな人が言っている通りだ。自分のことは自分が一番わかっているから、世の中にある事例と、自分のこととは違うだろうと思っていた。眠れるようになれば、だいぶマシになると思っていた。もちろん、だいぶマシにはなった。マシになっただけ。マイナス50まで来ていたところが、マイナス30まで減っただけ、というか。0以上にはなれていない。いろんな患者さんを見ていてるお医者さんの方が、いろんな社会人を見てきた会社の先輩たちの方が、いわゆる一度落ち込んでしまった人のことをよく知っている。自分も、その中の一人。客観的に自分のことを見ている夫の方が、自分のことをずっとわかってくれていた。それを信じることができなかったのは、自分が大丈夫じゃないって認めるのが怖かったから。普通の時にできていたことが、できなくなっているって、心のどっかでわかってるのに、それを認めてしまう勇気が出なかった。自分が本当に病気だって、診断書もすでに2枚も書いてもらってるのに、まだちゃんと自覚できてなかった。

先週は平日をなんとかこなせた気がしてきた。会議の報告も、営業担当との打ち合わせも、締切の業務も、一応完了できた。会社であった人とも今まで通り、一緒にランチに行ったり、近くの席に座った人とは少し雑談をしたりしながら過ごせた。
でも、その反動が土日に来てしまった。土曜日は梅雨の中の晴れ間で、朝からいい天気。いい天気の日は外出したくなる夫は朝から今日の予定を立てている。父の日の前日だから、百貨店に買い物に行って、その足で実家に向かって家族とご飯を食べる、素敵な休日になる予定。でも私はそんな気分になれず、「晴れてるし、出かけないと」「義両親と義姉さんに会うから心配かけないようにしないとな」と思って勝手にしんどくなってしまって、涙が出た。夫の予定は断って、一人でサイクリングに行くことにした。
日曜日は、ハネムーンの打ち合わせ。その後、来週に控えた私の誕生日プレゼントを夫が探してくれていた。私は何も決めたくなくて、意見を求められても答えられず、ハネムーンの打ち合わせで「何か質問はありますか?」と聞かれてもダンマリしているだけ。帰ってから晩御飯だと遅くなるから、外食してから帰ろうか、何が食べたい?と夫に尋ねられてもダンマリ。和食か洋食、どっちがいい?と聞かれても言葉に詰まっている私を見て夫は、晩御飯は和食にしよう、といいつつ、こんな状態で7月のハネムーンを迎えて本当にいいのか、仕事を休んで快調に向かうならその方がいいんじゃないかと提言した。その通りだと思った。コロナ禍に入籍した私たちは、ハネムーンでヨーロッパに行くことをずっとずっと夢見ていたのだ。

月曜日、明日は出社しないといけない、と思いながら、お昼の時間になったらまた同僚がランチに誘ってくれちゃうかもしれないからと翌日のお弁当の準備をしている自分がいた。そのことを夫に言ったら、その時点で少しおかしい。行きたくないなら休め、出社したくないなら在宅で勤務しろと言われた。しどろもどろになっている私に夫は明日の朝、俺が会社に電話するから上長の電話番号を教えてくれと言ったた。私は少し慌てて、それなら自分で連絡すると言った。


休職するべきか、制限を設けながら働き続けるべきか、考えたときに、私はより人に迷惑をかけない・人に後ろ指刺されない生き方を選ぼうとして、制限を設けながら働くことを選ぼうとした。でもそれで精神をすり減らしている気もしてきた。
何も決めたくない。どうしていいかわからなくて泣きそうになってる。でも働くと決めたんだったら、それなりにいないと、と思って、しんどくなる。人と会ったら、笑顔でいなきゃと思う。挨拶されたら、挨拶を返さなきゃと思う。誰も私のことなんて気にしていないのに、自意識過剰なんだと客観的に思う時もある。客観的な気持ちになって、全部アホらしい気分になる時もある。騙し騙しやれるんじゃないかと思うし、実際に、人から見て明らかにおかしい状態ではないとも思う。そんな気持ちで続けていけると思ったけど、3週間水中を歩くような気持ちでもがきながら少しずつ進んでいた。でも明らかに経過は鈍化してる。もっとグングン進めるようになるんじゃないかと、1ヶ月もしたらケロッと戻っているのではないかと思ったけど、自分の描きたい理想の進捗と実際の進捗具合が明らかに乖離している。その現状が辛い。
自分で働くと決めたんであればそれなりのパフォーマンスを維持しなくてはいけないと思って頑張っていたけど、以前の自分なら人と会話しながらでもできたようなことが簡単にできなくなってる。脳がうまく機能してないのかな。鬱は脳の病気って聞くけど、本当なんだなと、鬱と診断されて4週間ほど経ってやっと実感してきた。
もっと早くから、休職を申し出ていればよかったなとも思う。まあ、今更何を考えても意味がない。意味がないことを考えるくらいなら、今こそスラムダンクのアニメを1話から全部見た方がよっぽどいいかな。記憶って結びつくから、休職した時にスラムダンク全話見たら、今後スラムダンクを見るたびに、休職した自分のことを思い出さなくてはいけなくなる。そう思うと、休職する期間に接種するものって選んじゃうな。そんなこと思えるくらいには元気だから、自分のことを信じてみたくなっちゃう。悪循環にまた入っていってしまう。

こうして文章に起こせるくらいは元気だし頭も冴えているんだけどな。なんでだろう。何か自分でちゃんと決断をして、その責任を負わないといけない、というのがとてもしんどいのかな。だから自分の気持ちは表現できても仕事は難しいのかな。本当に仕事できないのかな。自分が勝手に色々考えてるだけで、仕事ってもっとシンプルで、できないことはできないと周りに相談すればなんとかなるんじゃないか、そう思うとまだまだ働けそう、と思うんだけど。実際そうしようと思うと、相談するためには内容をまとめなきゃ、とか、相談相手はあの人でいいのか、あの人忙しそうなのに業務増やしていいのか、あの人の今後のスケジュールってどうなってるんだっけ、いやいやこんなこと考えてる時間があったら自分でやった方が早いんじゃないか、いざ自分でやろうとすると頭がまとまらないな、これ自分で決めたらその分自分がフォローしなきゃいけないよな、しんどいな、でも自分が決めたならやらなきゃな、、、って。また自分で自分を追い込んでいってしまう。だからやめた方がいいんだろうって、わかるんだけど、自分を納得させるのはなんだか難しい。

とりあえず、明日またお医者さんに相談しに行くことにした。ここに書いたうち、2割ぐらいでも伝えられたら上出来かな。

2020年印象に残ったもの(上半期)

年が明けて2021年になってしまった。明けましておめでとうございます。

年末に、2020年に見て聞いてよかったものをまとめようと思ったのに、扁桃腺が腫れて高熱に伏していたので間に合わず。いや、実際には全然元気だったけど、年末もギリギリまでいろいろ見たいもの・聞きたいものが多すぎて振り返ってる余裕がなかった。いつも、年末はなんとなく気持ちがせいてしまって、結局年が明けてからやっと色々手をつけようという気持ちになれる。

2020年は本当に色んなことがあって、色んな制限が生まれた。そんな中でも、試行錯誤しながら、変わらないもの、よりいいものを発信し続けようとしてくれる作り手の方々には感謝しかない。皆さんのお陰で、豊かな一年を過ごすことができました。

生で観ることがもちろん至極であることを念頭に置いた上で、私にとっては今年は例年よりもライブや舞台に触れる機会を得た可能性がある。私は東海エリアに住んでいるので、首都圏のライブや舞台を観に行くことは簡単にできない。移動費に3万払っても観たいものかどうか、というフィルターがかかるし、平日夜はまず無理。ツアーで回ってくれたとしても、意外と多い名古屋飛ばし。特にお笑いに関しては、名古屋には劇場が無いに等しい。今年は配信ライブが多かったお陰で、凝った演出のライブを観ることができたり、逆に非常にシンプルなライブ映像が観れたり、お笑いに関してもライブでしか観れない長尺のネタを観たりすることができた。

いろいろ見聞き出来たぶん、忘れちゃもったいなのでテレビラジオ含め印象に残っているものを列挙。多くなったので、まずは上半期。厳密に時系列ではないので順不同。うろ覚えの記憶で感想かいてるので、内容に誤りがある可能性があります。

 

2020年印象に残っているもの 上半期

 

M-1アナザーストーリー2019

  今年は年末に放送されたアナザーストーリー、2019年版は2020年の1月に放送されていたんだね。放送されない地域だったので録画できなかったのが非常に残念。2回見て2回とも泣いてしまった。駒場さんが家で奥様と家族が喜ぶ動画を見ながら泣いているところ、漫才を誉めた後で「今日からは金とるで」と言う床屋のお父さんと内海さんの涙。その他、かまいたちと和牛の言葉・表情。何回でもみたい珠玉のシーン沢山。地上波で再放送してほしい。

 

宮下草薙の15分の特番『宮下草薙の60分』

 「運命」というトークテーマから引き出された、草薙さんがNSCの面接で落とされた理由を、当時面接を担当した社員目線で語られたトークがとても面白かった。ちなみに、その話を宮下さんに伝えたのはレインボーの実方さん。

 先輩からのアドバイスがピンと来なくて「難しくてよくわかんないね」と笑いあう二人が好きだ。

・ROTH BART BARON TOUR 2019-2020

 企画・制作はLIVERARY。全編フロアライブ形式で、バンドと観客との間に隔たりもなく、目の高さも一緒。バンドが中心に円を描くように配置されているので、自分が見たい楽器の近くに陣取って観ることができる。私は背が低いので普段あまり観ることができないドラム、パーカッションを真正面、ボーカルを横目に見るような位置を確保。そしたら、たまたま友人と観に来ていた会社の先輩が私のすぐ前で観ていて驚いた。場所なんて選びたい放題なのに、ちょうど同じ場所を選ぶなんて。ポケットにワインのボトルを突っ込んでラッパ飲みしながらライブを楽しんでいたあの先輩、在宅勤務の開始も相まってあれ以来会ってないけど、元気かな。

 

有吉ゼミ DJ松永の自宅にオードリー春日がいく映像

 DJ松永の自宅が想像以上だったし、聖域であるベッドにダイブしようとする春日を食い止める松永のやり取りが可愛らしかった。

 

・ずん飯尾さん R25インタビュー記事 いつも機嫌がいい人になる方法

 いつも機嫌がよく感情にムラがないように見える飯尾さんだが、実際には「イライラすることなんてしょっちゅう」と明かした上で、「イライラから離れるスピードが異常に速い」「イライラしてるときって、そのうち9割くらいは『オマケ』なんですよ」と語り、相方やすさんから「『いざとなったら縁を切る覚悟』をもって人と付き合う」姿勢を学んだという。気持ちの「引っ越し」をすることで割りきること。それを悪としない飯尾さんの姿勢に救われた。

 

・ハライチ岩井とサンシャイン池崎のゲーム実況動画(龍が如く、仁王)

 はらいっちゃんでありハライーターでありハライチョフである私は、ハライチ岩井さんとサンシャイン池崎さんの関係性がとても好きであるが、実際に二人がお話している所を見ることはいまだ少ない。そんな中アップされたお二人のゲーム実況動画。二人の仲の良さが垣間見えて最高だった。龍が如くのプレイ中、ゲーム内でゲームセンターに立ち寄ってUFOキャッチャーやレーシングゲームで遊ぶ二人、超良かった。

 

しくじり先生 お笑い研究部 インディアンスきむを考える回

 見ながらボロボロ泣いてしまった。きむの嘆きは、お笑いに昇華するには少し可哀想が勝ってしまうのではないか、と思いかけた時に、熱い眼差しを送る吉村さんの顔がアップで抜かれた。瞬間、涙が溢れてしまった。若手の葛藤に対してスポンジを投げ込む先輩たちの姿。凄いものを見てしまった感じがした。たぶっちゃんときむには、笑顔が似合う。これがあって、今年のM-1敗者復活からの決勝進出で憑き物がとれたように楽しそうに漫才する二人を見てまた泣く。「また来年!」と笑顔で言える年になって良かったね。

 

・ドラマ「死にたい夜にかぎって」

 原作も読んでいたし、そのずっと前から爪切男さんのブログを読んでいた。賀来賢人さんと爪切男さんのイメージが合わず、どうなんだろうと思っていたけど、想像以上だった。特に山本舞香さん演じるアスカは素晴らしかった。

 

R-1ぐらんぷり2020

 無観客で行われたR-1ぐらんぷり。とにかく開催してくれたことに感謝。予選時点から、野田クリスタルのネタが面白いという噂を聞いていて、とても楽しみにしていた。YouTubeで野田ゲーのプレイ動画は見たことあってめちゃくちゃ面白いとは思っていたけど、それがちゃんと賞レースで評価されていてとても嬉しかった。あの場で実際にプレイしているというのがあのネタの凄いところで、だからこそ観ている側もワクワクした。優勝して万歳した野田クリスタルが厚手のパーカーにも染み出すほど汗をかいていて、なんか感動してしまった。敗者復活戦も良かった。特に4000年に一度咲く金指とウエストランド井口さんのネタが良かった。

 

・テレビ千鳥 こっそりデーモン選手権

 とにかく面白かった。特に説明するようなこともないけど、何回でも観たいくらい面白い。途中、デーモンなりかけのピース又吉さんを表現した「ミニジョーカー」のテロップに添えられた挿し絵が秀逸。

 

・無観客配信 チュートリアルの復活漫才

 すごく面白くて最高だった。徳井さんは、爽やかな風貌とネタ中の変態さのギャップが魅力だと思うけど、今回の件で影が加わって「頭おかしいんか」の突っ込みに深みが加わってより面白くなってしまった気がする。ゆっくりでも、また二人の漫才がテレビで見たい。

 

・無観客配信 もう中学生 空車満車ゲーム

 もう各所で伝説として語られている映像。本当にとんでもない。これをきっかけに、2020年はもう中学生がラジオや配信ゲストとして呼ばれることも多くて、その一連のブームも合わせて最高だった。#むかいの喋り方も良かったし、サンドリでの有吉との絡みは、年に一度の恒例ゲストにしてほしいと思うくらいに良かった。有吉の壁の大喜利コーナーにもう中学生が出た際の有吉の愛に溢れる表情も良い。

 

・トム・ブラウン 無観客無配信ライブ

 結局中止になってしまったようだけど、発想が優勝。それをやっている二人を想像するだけで面白すぎるし、きっと二人なら全力で無観客無配信ライブをやりきりそうで怖い。今年是非やってくれないかな。

 

cero 有料配信ライブ Contemporary http Cruise

  当時、配信ライブは無料で配信されることがほとんどだった中、チケット代金1,000円の有料チケットを販売。「応援投げ銭システム」も導入し、購入時にチケット代金に上乗せして投げ銭が可能としていた。無料での実施も検討されたが、いつまでこの状況が続くかわからない中で、この有料配信が少しでも形になれば、全国のミュージシャン、ライブハウス、さらには演劇関係など活動の基礎となる部分がフォローできるのではないかと考えから有料での実施を決行。リアルタイムで視聴しているときには3万を越える同時視聴者がいたし、アーカイブの購入も可能だったので、有料配信でも非常に多くの人に届くことが証明された非常に有意義な配信ライブだったと思う。配信ならではの演出もあり映像の艶っぽさも良かった。私は感染拡大する前に同ツアーをライブハウスで生で観に行っていたんだけど、配信チケットも購入した。配信には配信のよさもあった。

 

爆笑問題のシンパイ賞 シンパイなネタ回

 ニューヨークがM-1で披露したあのネタ、初見はこの番組で、「シンパイなネタ」として観たんだった。かが屋コンテンポラリーダンスのネタも良かったし、何よりルシファー吉岡陰謀論のネタが観れて最高だった。シンパイなネタSPは今後もやってほしい、って思ったけど、それってほぼすなわちメタジェネバトルか。

 

・M 愛すべき人がいて

 みんなが気を抜いたら不安な気持ちに押されてしまいそうだった4月後半に、底抜けにパワフルだったドラマ。このドラマを見て、このドラマに熱狂していたパンサー向井さんの感想を聴くために#むかいの喋り方を聴くまでがワンセットで楽しかった。アユ役の安斉かれんさんがラジオゲストに来た際にとんでもなく穴が開いたキャップを被っていたという情報も良かった。

 

・にちようチャップリン 錦鯉ゲスト回

 私の2020年を明るく色づけてくれたのは錦鯉の二人だったのかもしれない。チャンスの時間のまさのりさんゲスト回ももちろん全部大好きなんだけど、にちようチャップリンで明らかにされた「大阪に彼女がいるんだけど3年間で7回しか会ってない」という情報、最近はあまり語られていないけどめちゃくちゃ印象に残ってる。今後も定期的にゲストに呼んで、まさのりさんにネタの感想を求めてほしい。

 

・ロロ YouTube無料配信 窓辺シリーズ

 元々、舞台をなかなか観に行けないのでロロが無料で配信してくれるなんて、嬉しかった。夜の遅い時間を中心に観ることができたのでそれも良かった。特に第1話の「ちかくに2つのたのしい窓」が好きだった。通話を切るときのあの絶妙な名残惜しさ、寂しさがしっかりと表現されてた。全配信、録画ではなくリアルタイムでの配信というのが凄い。かなりの試行錯誤を重ねてタイムラグを感じさせないようになっていたのだろうな。

 

平野レミ 「ふわふわのニラ玉」レシピ動画Twitter投稿

 なんかすごく元気をもらった動画。おうちご飯を作る人が増えた状況を鑑みて、ノーメイクでキッチンに立ち、まな板も包丁も使わない簡単で美味しいレシピを投稿してくれたレミさん。生卵を豪快に割って流し場に乱雑に投げ捨てるレミさんの姿が爽快だった。ちなみに、このレシピで作るニラ玉は非常に美味しくて、半年以上たっても楽して美味しいものを食べたいときの私の鉄板レシピになってる。

 

マヂカルラブリーのANN0

 4月にやった第一回も、9月のお笑いスターウィークにやった第二回も本当に面白かった。ラジオレギュラーもってほしい芸人第一位。(第二位は囲碁将棋だけど、とりあえずはGERA配信してくれてるから満たされてはいる。本当は歌を歌える環境でやってほしい。)よしログのアーカイブを何回も繰り返し漁ってみていた私にはご褒美みたいなラジオ。トークもコーナーも、リスナーメールのさばきも、全部最高だった。下ネタが全く無いわけではないけど、いやらしさはないからカラッと笑える。マッチョの気持ちがわかるのでそれも含めて面白かった。当時芸人界に流行っていたリレーを止める方法と、イデア界の話が特に面白かった。ラジオを1時間以上聞いた後、あのくだりもう一回聞きたいな、とか、あのコーナー面白かったな、とかはよくあるけど、TF期間中に2回以上フルで聞きたくなることはあまりない。マヂラブANN0はフルで3回聞き直した。

 

東京03 Youtube無料配信単独ライブ『隔たってるね』

 5月27日、緊急事態宣言が発令されて、劇場での公演が軒並み中止になってエンタメ業界に暗雲が立ち込めていた頃、東京03とオークラさんによって一筋の希望の光が差し込んだ。リモートのみで打ち合わせ、準備を行い、演出もリアルタイムの配信上で行われる。発想から実行までのスピード感が素晴らしい。無料かつアーカイブ有りというなんとも良心的な設定。打ち上げで幸せそうに笑う飯塚さんが最高だった。周りの芸人さんやエンタメに携わる人たちも東京03のライブを観ていて幸せそうで、あの夜はいい夜だったね。

 

・STAY HOME, STAY STRONG~音楽で日本を元気に~

 氣志團綾小路翔が発案し地上波で生放送された家フェス。森山直太郎、MIYAVI、奥田民生KREVA、KJなどなど、フェスをすればメインステージを担当するような面々出演し、それぞれの自宅からパフォーマンスを披露した。各アーティストの自宅を覗けるのってなんか嬉しいよね。楽しそうにギターを弾く山内総一郎に癒された。KREVAが自宅スタジオから披露した「S.O.S.が出る前に」の選曲が良かった「頑張ってると思うよ」のメッセージが響く。

 

金スマ 波瀾爆笑 オードリーSP

 笑って笑って、最後は泣いた。お子さまの頃の二人の写真大好き。春日会議の話は何回聞いても最高だし、若林さんの奥様との初デートの話、本当に素敵。お二人が結婚するまでの全エピソード映画化してほしいくらい。後半の若林さんのインタビューパート、お父様のお話が本当に素晴らしくて。少しでも衝撃を与えたら溢れだしてしまいそうな、表面張力ぎりぎりみたいな表情で笑う若林さんをみると、こっちが泣いてしまうよ。

 

さらば青春の光がTaダBaカSaワギ 東ブクロの嫁決定戦

 2020年は多くの印象的なラジオと出会ったんだけど、その中でも飛び抜けてバカ笑いできるのがタダバカの東ブクロの嫁決定戦。東ブクロの女性観系の話を聞いたり、とんでもないリスナーが登場したりする度に、もうこれ以上はないだろ!ヤバすぎる!と思うんだけど、それを越えるようなエピソードがドル箱状態に出てくるのが東ブクロさん。とんでもないことがバンバン飛び出してくるので、本当にバカ笑いしちゃった。12月には、もう本当にこれを越えるようなことは起こらないだろ!と思うような延長戦が開催されたけど、心のどっかでは、いいぞ…もっとやれ…!と思ってしまっている。短期で終わる伝説番組的な速度で駆け抜けているタダバカだけど、面白いから今後も続いてほしい。もし終わったとしても、年に一回くらい安否確認もかねて嫁決定戦を開いてほしい。

 

Netflix  「愛の不時着」

 2020年、私はついにNetflix に登録した。一番最初に観たのは、当時ネットでもかなりわだいになっていた愛の不時着だった。母親が韓流ドラマ大好きなので、なんとなく韓流の温度はわかっていた。そんなみんなはまるもんかね?と少し懐疑的に見始めたのだが、しっかりハマった。一緒にいたい/お互いのために離れた方がいい、揺れ動く気持ちの描き方がくどいくらい丁寧で良い。キャンドルのシーン、列車が止まった夜に焚き火を囲む二人、資本主義のハートに心を乱されるジョンヒョク、不馴れそうに指輪を渡すジョンヒョク、無意識にユン・セリの真似をしているジョンヒョクが特に好き。ジョンヒョクの話ばかりになってしまったけど、強い決断力でどんどん自ら未来に向かっていくけど、いつも不安を感じていて、思慮深くて人のために行動できるセリのことも大好き。第5中兵のみんなも、舎宅村のみんなも、ソ・ダンとク・スンジュンも、全員好きになって終わった。毎回わんわん泣きながら見ていた記憶があるので二周目見るの躊躇しているけど、時間があればまた最初から見たい。

 

・ドラマ「スイッチ」

 坂元裕二脚本で阿部サダヲ松たか子が主演。その情報のワクワク感だけでご飯を美味しく食べれそうな布陣。好きな言葉、好きなシーンが多くて、字幕つけて見たりしていた。カラオケで二人、カルピスとピザ(ゴレン系のメニューはなかった)を食べながら過去を回想する二人のシーンが特に好き。二人でよく歌ってたあの曲、きっと直は覚えていたんじゃないかな。二人の間にあるのは、愛だけど、愛じゃない。今後も単発で続きをやってほしいくらい、直と円に惚れ込んでしまってる。ただ、LOVER SOULが「あの頃」を表す曲として使用されている事実が少し寂しかった。名曲だよなぁ。

 

スピッツ草野マサムネロック大陸漫遊記 6月14日回

 1999年の邦楽を語る、という主テーマで、いわゆるロキノン系の音楽史をマサムネさんが当時の状況を振り替えるという非常に胸熱な回。佐久間PがANN0で紹介していて聞いた。私にとっては世代ど真ん中というよりは、少し上の話になるんだけど、なんとなくふんわりとしか理解してなかった当時の状況を時系列で追って説明してくれる丁寧さ。THEE MICHELLE GUN ELEPHANT「スモーキン・ビリー」、椎名林檎「正しい街」Hi-STANDARD「Stay Gold」、NUMBER GIRL「透明少女」、くるり「街」THE MAD CAPSULE MARKETS「Pulse」、BRAHMAN「DEEP」と時代を象徴する最強ソングが続いたあと、当時、今のテレ朝ネオパラ枠にあたる時間帯の番組が終わったあとに5分ほどやっていた情報番組「あしたまにあ~な」のテーマソングで締める茶目っ気。

 

空気階段の踊り場 6月14日回

 空気階段の担当が外れるマネージャーに対して、もぐらに相談なく勝手に一人でプレゼントを渡したかたまりにもぐらがもの申す回。最初はいつものちょっとしたつつきあい程度のやりあいかと思って聞いていたら、かたまりの怒りのボルテージがMAXになってとんでもない言い合いに。結果的に、かたまりの怒りのクールダウンのために収録を中止するほど事態になった。空気階段の良さがぎゅっと凝縮された回。ラジオクラウドアーカイブが残っているので何回でも聞きたい。

 上半期の踊り場は好きな回が多くてすべてをあげたらとんでもなくなってしまうけど、もぐら幼少記の話からキタノ映画みたいな話、泊まりもぐら回、I"sを君に回、らへんが特に好き。45分越えの超大作アフタートーク「寿司泥棒のnote」も良い。畠中さんがどうしようもなく正しい世界。

 

とんでもなく長くなってしまった。

自分があとから思い出すための備忘録的なものなので、記憶が曖昧だったり、感想にムラがあるけど。

元気があれば下半期分も書きなぐります。

坊主の気持ち

私にとってブログは、日々のことを書く場所というより、少し考えて、まとめて、人に見せれる形にして発信する場所。
だから、せっかく書くなら、ちゃんと読み物としてそれなりには読める形にしたい、という思いがあった。

その勝手な自分の思いが、なんとなく書くことを遠ざけてしまって、書くことに対して腰が重くなってしまっていた。

最近、私の周りに「三日坊主になると思うけど日記を書いてみる」「宣言通り、三日で途絶えました」と報告してくれてる人がいて、私は逆に書く勇気が出た。
三日で途絶えてもいい。自ら坊主になる覚悟を持って取り組むのもいい。結果、三日で終わってもいい。
なんとなく、今のこの異常な状態を残しておきたくなったので、書く。

「この異常な状態」と書いたのは、今私は在宅勤務をしているから。
普段は起きてから1時間かけて身支度をして、往復約2時間かけて通勤し、フロア内に100人以上が勤めているようなオフィスで仕事をしている。
それが、先週から急遽在宅での勤務に切り替わった。
別にここで「在宅はこんなメリットが!」「在宅勤務で集中するためには、部屋の掃除から!」などと有益な情報を示すつもりはない。現状、かなり穏やかに、自由に、特にトラブルなく業務を進めてはいるけど部屋は恐ろしく汚い。日記を書こうと思ったのも、部屋の掃除と向き合わないための逃げからきている自覚がある。ましてや、政府の判断に噛みつくほど意見も持てていない。好きなアーティストや芸人さん、あらゆるイベント、演劇、創作活動が必要に迫られて自粛し、悲しい辛い思いをしている方々が多くいらっしゃるのは大変心苦しい気持ちはあるけど、自分にとってはその痛みが本心からは分からず、とても近くで寄り添ってあげることも、強い気持ちで救いの手を差し伸べることもできていない。まずは自分の心身の健康維持に勤めるだけで精一杯な私の言葉はどうせ上滑りするのでそんなことも書くつもりはない。

本当に、ただの最近の自分を書いておく。
・筋力アップとダイエットに夢中。
 社会人になり、8キロ太った。体が重たくなり、見栄えも悪くなってきたので、年始からダイエットを開始した。3月現在、約3キロ落としてそれをキープしているが、あと2キロは落としたい。それでも新入社員の時より3キロ太ってる。新入社員時の自分の写真を見て悲しくなった。あの頃は、服も全部迷わずSサイズで良かったのに。今は試着必須だし、大抵の場合、試着室で自分の姿見を見るとその時点でテンション下がって購買意欲が失われてしまう。散財防止にはなるけど、本当はお洒落な服を着て姿見でバッチリ全身キマりたい。最近は高タンパク・低糖質な食事を意識しながら、筋トレと有酸素運動を週に3回以上はするようにしている。少し減量ペースは落ち着いてきてしまっているけど、夏までには、必ず。

・プロポーズを受けたけど、一切話が進まずヤキモキしている。
 ダイエットを本気でやり始めた理由の一つに、プロポーズを受けたことが挙げられる。これから、一生に一度の記念になるような出来事が多くあるし、素敵な写真もとる機会が多くなるであろうに、だらしない体では悔しい思いをし続けることになるから。
 プロポーズを受けたのは年末だけど、その後、一切進展がないので少しヤキモキしている。旦那候補の彼は、仕事の都合で2週間ほどの出張が多い。それは、もともとわかっていることだし、仕方がない。うちの両親は仲がいいけど、アクティブなので週末揃って自宅にいることが意外と少ない。これも、いいことなんだけど、意外と彼と両親の予定の調整が難しい。それに、最近の外出自粛ムード。私と彼が住んでいる場所と、私の実家は新幹線で2時間、車で4時間くらいは離れている。2月末に会う予定が延期、3月に会う予定も延期になりそうで、まだ女側の両親に挨拶すら行ってないのに話を進める気分にもなれず、周りにもあまり報告できず、なんとなくヤキモキしている。いざ色々な準備が始まると忙しいという話ばかり聞くので、暇な時間がたくさんある今はありがたい面もある。

・時計を着けたいのに、機会がない。
 プロポーズの時には指輪は頂かず、その後二人で指輪選びにお店を回った。元々自分がそこまで装飾品に興味がなかったことと、人生の先輩たちから婚約指輪は婚約期間が終わるとつける機会がなくなると聞き、それは寂しいなぁと思ったことから指輪をもらうのがなんだか勿体ない・申し訳ない気持ちになってくる。結果、お互いの婚約記念品&お返しをかねて、婚約時計を贈り合うことにした。時計なら会社でもプライベートでもつけ続けていられるし、婚約期間が終わっても気兼ねなく使い続けることができる。予想外だったことは、お互いかなり時計を勉強することでどんどん良いものが欲しくなってしまって、結局指輪よりもだいぶ高くついてしまったこと、時計選びだけで約1ヶ月が終了したこと。そしてやっとの思いで手に入れた時計がちょうど手に入った翌日から在宅勤務の要請があって、まだ会社には一回も着けて行けていないこと。人と会う予定も軒並み中止になってしまったので、まだ全然つけれてない。せっかくの自動巻なのに着けてないせいで巻き上がらず、ずっと手巻きしてる。さみしい。時計という共通の趣味ができたのは楽しいけど、またお金のかかる趣味に足を突っ込んでしまったな、と少し恐ろしさもある。

・R−1、野田クリスタルが優勝して嬉しい。
 タンクトップジーパン時代から大好き。高校時代、友達と野田くんの歩き方、走り方を真似して笑い合っていた。懐かしいな。あの友達、最近LINEでやりとりしたら「100日後に死ぬワニ」のスタンプ使ってたな。

・部屋の掃除ができるようになりたい。
 本当に部屋が汚い。定期的に大掃除するけど、3日もしたらすぐに部屋が汚くなる。
 センスがないんだと思う。もう全部捨てたい。でも捨てることすら面倒臭い。勿体ない気持ちも生まれてきてしまう。1年間触らないけど、大掃除の網を潜り抜けてまた来年大掃除の時に捨てるか悩むだけのものがこの部屋の中にたくさんある。捨ててしまえば良いんだけど、なんだか気乗りしないんだよな。誰かに一思いに捨てて欲しい。きっと捨てられたことにも気づかないようなものが多いんだろうな。それも寂しい。

・好きじゃない人が夢に出てくる。
 時々、好きではない異性が夢に出てくる。嫌いなわけでもなく、特別好きでもない。でも大抵、夢に出てくる時はお互いゴリゴリに異性として意識しあってる関係として出てくる。これなんなんだろうな。妙な罪悪感あるし、冷静になった時に色々と恐ろしい気持ちになるからやなんだよね。いっそ出てこないで欲しい。



まだまだ書きたいことがあった気がするけど、また赴くままに書きにこよう。こんな取り止めもない感じでだったら、書き留めやすい。
三日坊主上等!みたいな感じで書いたけど、筋トレする日はきっと書けないので、三日も続かない。三日坊主くらいの気持ちで書きにくるようにする、というだけ。
しかし、本当に取り止めがない。今まで以上に、自分のための備忘録の要素が強い。
今は、こんな気分。

シンガポール旅行記(9/12~16)二日目

シンガポール旅行記

二日目
朝。早起きをして地下鉄に乗り込む。
海外の公共交通機関に乗るのはとてもワクワクする。特に観光の中心となる市街地は色んな国の人が乗っている。ガイドブックを熱心に読んでいる、私たちのように旅行をしているのであろう人。恋人、友人と談笑しながら身を寄せ合う人。スマートフォンを握りしめて寝ている人。いろんな目的、いろんな境遇の人を乗せて決まった道を往来する電車。乗客一人一人の物語を勝手に想像するのが楽しい。
シンガポールの地下鉄は飲食が禁止されている。車内にも街にもゴミが少ない。日本のようにワンカップ片手に虚ろな目をした人もいないからどの車両でも安心していられる。スマホで爆音で音楽をかけながら寝ている青年や、めちゃくちゃでかい声で独り言を言っているおじさんはいたけど、まあそんなの日本でも見ないわけじゃないしな。明らかに異様な光景は目にしなかった。

そういえば、一日目の夜、空港からホテルへ向かう道すがら、初めてのシンガポールの地下鉄で、早速失敗したのを思い出した。チャンギ空港とメインの環状線への乗り継ぎ場となるタナ・メラ駅を繋ぐ、たった3駅をひたすらに往来するEast West Lineというのが存在する。タナ・メラ駅で乗り換えをしないと永遠にタナ・メラとチャンギ空港を往復することになる。私達は、そんなことは露知らず、タナ・メラで降りそびれてまた空港へ折り返してしまった。フライト後、大荷物で移動していた私達はそれで結構なダメージを受けた。こうゆう、予想もつかない失敗をして、誰を責めるでもなく「やられた〜」「たしかにあの駅でめちゃくちゃ人降りてたよね」と省みながら笑い合うのが楽しい。
旅に失敗はつきもので、それを笑い合える人と行くか、それをきっかけに気まずくなってしまう人と行くかによって旅の楽しさは大きく左右されると思う。私はかなり抜けていて普通の人より失敗が多いので、そういう人と一緒じゃないと旅は格段に気まずくなる。愛想つかさずに一緒にいてくれる友達は大切にしたい。



さて、シンガポール二日目の行程は、以下の通り。
10時〜15時 ユニバーサルスタジオ・シンガポール
17時〜21時 ナイトサファリ
旅行中の行程の中でも、もっとも活動的で盛りだくさんな一日だった。

まずユニバーサルスタジオ・シンガポール

ここにはUSJにはないアトラクションがいくつかある。ジュラシックワールド内の「ジュラシック・パーク・ラピッド・アドベンチャー」もそのひとつ。円形ボートに乗って激流下りをするアトラクション。6人乗りで、私たち同様、日本人観光客の方との相乗りだった。いわゆるギャルの方で、笑顔がとても素敵だった。
激流下りということで、水の流れるルート(人口の川)を人の乗り降り用に隙間の空いたボートで下っていく。円形のボートはくるくると回りながら下っていくので動きが予想できなくて楽しい。アトラクション搭乗前に、レインコートの自動販売機があった。まあ、濡れるかもしれないけど、日本のジュラシックパーク・ザ・ライドと同じ感じだろうと予想し、レインコートの購入は見送った。
完全に見くびっていた。まさかあんなに濡れるとは。髪の毛から服からびしょびしょになった。気まずいくらい濡れた。晴れていたから良かったが、晴れていない日に乗る場合は是非レインコートの購入をおすすめしたい。清流ならいい。いつから循環しているかわからない人口の川を流れる水を全身に浴びた不快感が嫌なのだ。アトラクションは面白かった。日本に上陸したら人気だろうな。
ちなみに、私たちと同乗したギャルの子はミニスカートを履いていて、その子の向かいに座っていた同期二人はその子のパンツが丸見えだったのでそちらに意識を取られてしまい、正直、恐竜どころでは無かったという。初乗り、海外、ここでしか乗れない、と三拍子揃った特別感のあるライドを凌駕する、ギャルの黒パンツ。視野の狭い私はミニスカの中身に気づくことすらなく、無邪気に恐竜たちとのライドを楽しみました。

アトラクションの待機時間が約1時間ほどあったのだけど、前に並んでいるインド系の外国人のお父さんがとにかくずっと無表情で面白かった。アトラクションに乗る前、恐竜と一緒に写真を取れるスポットがあるのだが、もちろん真顔。なんなら顰め面。しかも、前の人が進んでも前に進まない。息子さんらしき大人の男性と一緒に来ていたが、その同行者の方が列の流れるままに先に行っても進まない。列が進んでいることに気づいていない訳では無い。それでも、自分より前の集団が三段階くらい前に進んで始めて前に詰め始める。もちろんずっと真顔。お父さんの同行者は後半常に誰かと電話していた。
海外に来ると、友人や家族といるのに他の人とFaceTimeしている人をよく見る。あれはなんなのだろう。もしも日本人の友人が急にこの場にいない人に電話をかけ始めたら、その場にいる人も、突然外野から呼び出された側の人も、すごく気まずくなると思うのだけど。
アトラクションに乗ってる間もずっと真顔なのか、その表情の変化を見届けたいと思ったが、搭乗人数の兼ね合いでお父さんと一緒に乗ることは出来なかった。残念だ。あなたの笑顔が見たかったよ。笑顔で激流下りを楽しんだ後、ずぶ濡れスポットで一気に真顔に戻るあなたの表情の変化を見たかった。

他に乗ったアトラクションは以下。
・リベンジ・オブ・ザ・マミィ
(お笑い芸人のザ・マミィを連想してテンションが上がり写真を撮ろうと思ったが他のふたりがぽかんとしていたので断念した)
・トレジャーハンター
(あまりにもシュールで面白みも可愛げもない、無味乾燥なジャングルクルーズのような乗り物。笑顔で乗り込んだ家族連れが無表情になって帰ってくる様子を何組も見た)
・キャノピー・フライヤー
(比較的ミニサイズのコースターアトラクション。見た目のイメージよりは、ちゃんとジェットコースター感があり面白かった)
・バトルスター・ギャラティカ:サイロン

バトルスター・ギャラクティカ:サイロン」は、宙吊りになるタイプのアトラクションで、360度の旋回があったり、外に投げ出されるような遠心力を感じるカーブがあったり、とても面白かった。非常に浮遊感のあるアトラクションなので貴重品は全てロッカーに預けるように注意書きがあった。
ユニバーサル・スタジオ・シンガポールでは、各所に指紋認証式のロッカーがあって、そこに貴重品を預けることが出来る。バトルスター…もその対象アトラクションで搭乗前に全ての携帯品をロッカーに預けるように指示があった。
そこで、私はやらかしてしまった。
アトラクションに並び始めてから、自分のポケットの中で確かな存在感を残すスマートフォンの存在に気づいていた。
まずい。ロッカーに預けるべきだった。すぐに血の気が引いたが、私たちはすでに列に並び始めていた。並び始める前に、列の入り口にて金属探知機を持ったしかめ面の女性スタッフから全身隈無くチェックされた上で列に並び始めている。なんなら、同期のうち一人がそこで引っかかってしまい、「何も持ってないのに…」と首をかしげる同期を茶化した後だった。自分たちの後ろにも続々と人が並び始めている。
ロッカーの指紋認証は、私ではなく別の同期の指紋で行なった。つまり、スマートフォンを新たにロッカーに預ける場合、自分一人ではなく同期も一緒に長く並ぶ列を逆流してロッカースペースまで戻らなければいけない。非常に気まずい。
「乗ってる間、無邪気に手をあげて楽しんだりせず、ポケットの上から携帯をぎゅっと握りしめ続けていればなんとかなるだろう」と自分に言い聞かせて、同期にも報告せずに一人平静を装って列に並び続けた。列は順調に進み、また、その分自分たちの後ろに並ぶ列もどんどん長くなっていく。もう、後戻りはできない。いくしかない。と心に決め始めていたころ、英語でアナウンスが入る。
「このアトラクションでは貴重品を全てロッカーに預ける必要があります。もし貴重品を携帯している方を見つけた場合、登場を拒否する可能性があります。」
冷や汗が背中を伝ったのを感じた。どうしよう。今更戻るわけには。でも、拒否られたら。楽しい旅行の雰囲気に水を差すことになる。
悶々と考えていても埒があかないので、意を決して同期に相談する。盛大に引かれた。
「どういう気持ちで、俺が荷物検査引っかかった時笑ってたん?」「いつから気づいてたの?なんでもっと早く言わなかったの?」
続々と浴びせられる「理解不能」と言いたげな声にウンウンとただ頷くことしかできない。ごめんね。私は本当にこうゆうところがあって。と心で会話するけれど、さらなる批判の言葉が降ってくる事が怖くて口を噤んでいた。なんなら、「いっそ何故、入り口の金属探知機が反応しなかったのか」という疑念が湧いてきて、入り口のしかめ面な女性に腹を立て始めていた。あそこで一思いに止めてくれていれば、私もここまでの気まずい思いをせずに列の入り口とロッカーの往復、約3分間のロスでみんなと気持ちのいいライドを体験することができたのに。と自分勝手な八つ当たりに胸の中を燃やしていた。
アトラクションの搭乗口が近づいてくる。搭乗間近になって、2つのことがわかってきた。
・アトラクション搭乗前に再度、全身の金属探知機を用いた荷物チェックを行われること。
・アトラクションの横に簡易的な荷物置き場があること。
私は同期と話し合って、2つの選択肢を得た。1つは、ちゃんとスタッフに報告して荷物置き場に置かせてもらうこと。2つ目は、スタッフにはスマートフォンを持っていることを絶対に隠して必死にスマートフォンを守って乗ること。ギリギリまで悩み続けていたが、隠してバレた時のリスクを恐れて正直に打ち明けることにした。
搭乗前の荷物チェックを担当していたジャルジャル福徳似の青年に、拙い英語とジェスチャーで間違って持ってきてしまったことを打ち明け、アトラクション横の簡易荷物置き場を指差して「あそこに置かせて欲しい」とお願いする。福徳は困惑した表情で「あそこは鍵をかけることができないし、貴重品を置かせることはできない。帽子とか、サングラスならいいけど、貴重品はお断りしている。」と一生懸命伝えてくれた。
あぁ、隠して乗り込むべきだったと目の前が真っ暗になって何も答えられずにいる私に、福徳は一生懸命「外のロッカーに預けてくれ」とお願いしてくる。ロッカーに預けたら、最初から並び直さずにこの搭乗口まで戻ってきていいから、と。認めるのが嫌で黙っていると、周りの日本人らしきお客様にも声をかけて、「彼女に日本語にロッカーに預けるようにお伝えしてもらえませんか」と英語で懇願し始めている。
ごめんね福徳。理解はできているんだよ。自分の愚かさが受け入れられないだけで、あなたの言いたいことも、自分がしなきゃいけないことも、全部わかってはいるんだよ。困らせてごめんね。
私は同期に謝り、指紋要員の同期と二人で長蛇の列をかき分けて入り口まで戻り、ロッカーまで戻り、スマートフォンを預けて爽快な気持ちで再度、福徳との再会を果たした。福徳は安心したように笑いながらゲートの向こうに通してくれた。騙そうとして、困らせて、ごめんね福徳。非常に真面目で不正のない素敵なスタッフがいるUSSは安心な施設だね。
アトラクションは非常に楽しかった。吊り下がり式のジェットコースターで、急降下、360度旋回、外に投げ出されるような高速カーブなど、確かにかなりの浮遊感を味わうアトラクションだったので、貴重品の携帯は危ないと思った。
そして何よりも、自分の過ちに気づいたらすぐに周りに打ち明けて対応した方がロスは少なくて済むという基本的な学びを再確認することができた。報連相は社会人の基本と言われているけど、日常生活においても、人と一緒に活動する上で欠かせない非常に大切な行動だ。
私は、ジャルジャルの後藤さんが大好きなのですが、この件があってからは福徳さんを見る目が少し変わってきている。真面目で、丁寧で、素晴らしい男だよ、福徳は。

この後、「トランスフォーマー・ザ・ライド」も乗ろうと並んでいたが、並び初めに確認した待ち時間を過ぎても全然乗れる気配がなく、ナイトサファリの集合時間も迫っていたので途中で断念した。



シンガポールでは3種類の動物園が近くに隣接していて、どれも観光地として人気が高い。日中営業していて、とても広く、ショーなども充実していて、日本よりも動物との距離が近く見ることができる「シンガポール動物園」、水辺の動物や魚が充実しており、ボートに乗って園内を回れる周遊ツアーもある「リバーサファリ」、そして動物たちの夜の姿を見ることができる「ナイトサファリ」がある。
3つの動物園全てを回ろうとすると、体力的にも時間的にも厳しいので、私たちはナイトサファリのみを観光することに決めた。
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ロゴはそこはかとなく「BAD BOY」のロゴを彷彿とさせて懐かしい。

ちなみに、リバーサファリは世界でも数少ない淡水魚を中心とした展示を行っていることで有名だが、淡水魚の展示といえば岐阜県各務原市の「アクア・トトぎふ」も非常に素敵な水族館なので、東海にお越しの際は是非観光の候補に入れて欲しい。
aquatotto.com
高速道路の川島SAから直で行けるので交通の便もよく、館内も非常に綺麗、周辺施設も充実している(手ぶらでバーベキューを楽しめる施設などがある)、と休日のレジャーにぴったりです。

ナイトサファリでは、個人観光ではなく現地ツアーを申し込んでいた。市内のホテルからシャトルバスで目的地まで連れて行ってくれて、トラムに乗って園内を周遊できるツアーと、その後のショーまで付いているJTB主催のツアー。夕食付きのツアーではなかったが、お腹も空いていたので現地でビュッフェディナーを楽しんだ。この現地ツアー、JTB以外にも何社か日本語対応で申し込める現地ツアーが用意されているので、個人で参加するよりは若干割高になるが、是非皆さんには現地ツアーを申し込むことをお勧めしたい。
ご飯を終えて、実際にトラムのツアーに乗り込もうとして驚いた。すでにトラムの受付場所には長蛇の列ができていた。現地は平日木曜日の夜だというのに。私たちはツアー会社がすでにトラムと搭乗時間を抑えてくれているので、並ぶことなく受付開始の19時すぐからトラムに乗ってツアーに参加することができた。きっと、個人であそこに並んでいた人たちは、実際にトラムに乗れるまで1時間近く待ち時間が発生していただろう。その苦労を思うと、少し割高でもツアーに申し込むメリットは非常に高いと思う。

トラムで行く園内ツアーは、日本語のガイド音声もあり快適。
さすがに肉食動物や大型の動物は少し遠くからしか見ることが出来なかったが、草食動物の一部は本当に手を伸ばせば触れられるくらいの距離を往来している。
鹿やバクは特に近くで見ることが出来た。広大な敷地内でたまたま近くに寄ってくれるのはとても嬉しい。子供が親に連れ立って歩いている姿や黙々と餌を食べている姿はとても可愛い。
ライオンのスペース内、大きな草食動物がどんと横たわっていて、そこに何頭かのライオンが群がっていた。詳しい説明はなかったが、あれは彼らの餌なのだろうか。日本ではありえないようなダイナミックな光景だった。
像も沢山いて大きかった。木に大きな体を擦り寄せて背中をかいている像もいたりして、自然体な姿が微笑ましかった。
常に揺れたり移動したりしているトラムの上からでは、手持ちのズームレンズカメラではブレてしまって綺麗に写真は取れなかった。でも、一部奇跡的にとれた写真もある。
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猫のように伸びをするメスライオン
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堂々とした姿のオスライオン

トラムで一周した後は、ショーを見ることか出来る。
CREATURES OF THE NIGHT SHOWと称して、様々な動物の習性や身体特徴を紹介しながら動物たちが芸を披露してくれる。また、動物の芸を通して動物保護、環境保護の観点から大切なメッセージを伝えてくれるような、ただ愉快なだけではないステージだった。
洗い物をするアライグマ、逆さ吊りになるナマケモノ、切り株の隙間から餌を探すフェネック、会場の端から端まで一直線に飛ぶフクロウなど、様々な動物の可愛らしい演技を見ることが出来た。
特に可愛かったのが、ゴミの分別をするカワウソ兄弟。カワウソが芸を覚えることが出来るというだけでもかなりの驚きだった。
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ここでも、JTBツアーではツアー参加客分だけ席を用意してくれているので、待ち時間も発生せずにスムーズに席に着くことが出来る。
人気なショーらしく、最後の方に来た客は座れず立ち見している人もいたので、やはりこうゆう流れがスムーズなのはありがたい。

ツアーはここで修了、ショー終了後は流れ解散となる。元気があれば、先程トラムで移動したルートの近くを歩いて散策することが出来る。トラム移動だとじっくり見ることは出来ないし、ある程度距離があるので、歩きの方がゆっくり見れるかもしれない。ただ、私たちはさすがに疲れてしまったのでそのままホテルに帰ることに。

近くの駅までは安いシャトルバスが出ているので、シャトルバスと電車の乗り継ぎで比較的安く移動することは出来た。

盛り沢山の2日目終了。
この日も疲れて即就寝。ホテルに帰ってからの記憶がほぼない。

シンガポール旅行記(9/12~16)一日目

9月の連休に有給をくっ付けて、会社の同期とシンガポールへ旅行した。
女二人、男一人。去年は同じ三人でタイへ行った。仲良くしてくれている同期。
シンガポールは三人とも初めて。近未来的な海外都市へ行くのも初めてなのでとても楽しみにしていた旅行だったので、写真と共に旅行記をしたためたいと思う。



9月12日
早朝に中部国際空港へ。
空港の中でおにぎりとお味噌汁を食べる。レジもキッチンもおばあちゃんが回しているお店だった。おばあちゃんが握ってくれる、海苔がしっとりとしたおにぎりは最高。お味噌汁は赤だし、やられてしまいそうなほど熱かった。メガネを曇らせながら飲む味噌汁は美味しい。
今回の旅は直行便ではないので、一度香港を経由。

中部国際空港→香港

行きの機中で実写版『アラジン』を拝見。劇場等でも見たことなかったので見れてよかった。
ジャスミン役のナオミ・スコットが非常に麗しく何度でも見たくなった。ちなみに一緒に行った会社の同期は、劇場でも見た上で行き帰りの飛行機合わせて5回見ていた。ホールニューワールドのシーンが何度見ても良すぎるので早くBluRayが発売して欲しいと言っていた。
ジーニー役のウィル・スミスは流石。こういう役に対するウィル・スミス×山寺宏一。これ以上の組み合わせは長年たってもまだ日本で見つかっていない。ホール・ニュー・ワールドはやはり至極。
原作のストーリーをもうすっかり忘れていたのだけど、こんなに社会的側面のある物語だったかと序盤から前のめりに観てしまった。王になることを志し真っ直ぐに生きるジャスミンの瞳に撃ち抜かれてしまう。ジャスミンと結ばれるために王になりたいのに、王の振る舞いが想像もつかずに自信をなくすアラジンの素朴さにもキュンとしてしまう。盗みや目利きや人の目を欺いて逃げることは飄々とこなして、「俺を信じて!」とジャスミンに訴えていたアラジンが、いざ好きな人を騙すことになるとしどろもどろ、どうしたらいいか分からないとジーニーに泣きつく始末。応援上映があったなら、みんな立ち上がって黄色い声を上げているだろう。
EXIT兼近くんの報道から、貧困と犯罪の関係に関して思いを馳せていたところなので、詐欺と窃盗によって生活をやり過ごすことしか出来ないアラジンを通して社会のあるべき姿を考えるなどしてしまった。これが当時のアラビアであり、現在のどこかの国であり、日本にも隠れて存在している闇だ。
『アラジン』を見終わってもなお時間があったので、『名探偵ピカチュウ』を見る。前情報ほぼ無しで、可愛らしい話かと思っていたら、こちらもなんとも深みのある映画だった。コーヒーが好きで渋好みのピカチュウが、主人公以外には可愛らしく「ピカピカ」言っているように聞こえるという設定、普段は勝気で男っぽいピカチュウがふとした時に見せる不安げな表情やあざとい表情のギャップにときめいてしまった。
主役一人と一匹を取り巻く他の演者、ポケモン達も味があってよかった。コダックが可愛い。あの子がコダックをパートナーに選ぶまでの逸話も描いて欲しかった。
二作とも、しっかり泣いてしまった。いい時間だった。

乗換は1時間ほどだったので結構タイト。
乗り継ぎに電車を利用。とても大きな空港で免税店も非常に豊かだった。

香港→シンガポール
こちらも4時間弱の移動。
MARVEL作品が充実していたので、アベンジャーズを1から見直す。アベンジャーズの登場人物はみんな愛おしく大好きだが、私は特にキャプテンアメリカが好き。真っ直ぐな正義感と他のヒーローたちと比べると比較的一般の人間に近い身体能力。時代が止まっていたこともあり、インテリ的な話に疎いのも非常に愛おしい。一人ではあまり特異な戦闘力のない彼が、他のヒーローと連携しながら力を発揮するシーンには思わず声をあげてしまう程、とても心躍る。

少し睡眠をして、シンガポールに到着。
到着時刻は約18時頃。時差は一時間なので特に辛くない。
一度ホテルにチェックインを済ませ、そのまま晩御飯を探す。

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マックスウェルホーカーセンターへ。
タクシーで向かう道中、マリーナベイサンズがライトアップされた景色に歓声を上げる。すごい。近未来都市だ。綺麗。すごい。
マリーナベイサンズ以外にも、綺麗な高層ビルやホテルが軒を連ねていて、東京より凄いかもしれない、と眩しく思う。愛知よりは確実に未来的で綺麗だ。

チキンライス、ラクサ、キャロットケーキを注文して三人で分け合う。タイガービールで乾杯。

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チキンライスは美味しかったのだが、骨が多すぎて食べることに疲れてしまった。
ラクサは辛さがマイルドで美味しかった。ツルツルの麺も美味しい
キャロットケーキが一番気に入った。私たちが食べたのは黒いキャロットケーキだった。あまじょっぱい味付けがビールとよく合う。何かよくわからずに食べていたけど、あとから調べたら大根餅だったんですね。大根餅もピンとは来ませんが…。

ホテルへ帰ってシャワーを浴びて、一日目は終了。ベッドの上で調べ物をしながら寝てしまい、その後友人に起こされるも、友人が真剣に恋愛話をしている間にも寝てしまって訳の分からない相槌をうって怒られた。
私はとても眠くてもはや寝てるような状態でも、眠いのがバレるのが嫌で訳の分からない相槌をうってしまう癖がある。見栄っ張りな性分が出てきてしまう。

一日目はまずこんなところ。
ほぼ映画の感想で終わってしまった。
二日目以降はもう少しシンガポールっぽいです。

下北沢の思い出(8月31日K-PROカーニバル@北沢タウンホール)

久しぶりにお笑いライブを観に東京遠征した。

せっかく東京にいくのなら、と金曜日仕事終わりに車で横浜に向かい、カレーを食べて夜の横浜を散策して、府中のビジネスホテルに泊まる。

早めの朝食に深大寺の蕎麦をいただく。いつも混んでて諦めていた『湧水』。早めに着けたので10分も待たずして着席。『上湧水天ざる』をいただく。つるつると喉越しが良く、噛むとしっかりコシがある。蕎麦自体の味がそこまで強くなく、好き嫌いなく誰でも美味しくいただけそうな蕎麦だ。天ぷらも軽く揚がっていて全然胃もたれせずに食べれる。つゆも非常にシンプルで飽きがこない。非常に美味しかった。さすが深大寺蕎麦の有名店。お土産で買った蕎麦ようかんも非常に美味。プルプルの食感と優しい甘さとほんのり抜ける芳ばしい蕎麦の香りが羊羹の概念を優しく打ち砕いてくる。旅の同行者は蕎麦より感動した!と言っていた。それもどうなんだ。でもそれくらい美味しかったし、他で食べたことのないものなので印象的だった。その後、深大寺を散策し、私の生まれ故郷を車で放浪し、下北沢へ。

下北沢といえば私の青春。小田急沿線に生まれ育った私には、下北沢は気軽に行ける若者の街。友達と電車で少し出かけたい時、何をするでもないけど候補にあがる下北沢。金もない、特に物欲もない学生時代の私はローファーで歩き疲れ足が痛くなるまで下北沢をうろうろと徘徊した。私が今思うと恥ずかしいまでに惚れ込んだ美容師さんがいた美容院も下北沢にあった。(社会人になって転勤してからもわざわざ下北沢に通うほど惚れ込んでいた。明るく優しく少し不器用でとても魅力的な人だった。)すごく好きだったな。地元の秋田に帰ると聞いてショックを受けたけど、最後の記念に、と撮ってもらった写真には照れと嬉しさが同居して腫れ上がったような笑顔の私が写っている。とても幸せな写真のはずなのに、ぱんぱんの自分の顔を見るのが嫌であまり見返せていない。私が邪魔なんだよな。私以外の部分は最高の写真なのに。

下北沢の旧改札口が閉鎖される時の曽我部恵一弾き語りライブにも行った。改札前で歌う曽我部はまるでMVの中の世界だった。テレフォン・ラブを歌ってくれて、私は生でそれを聞くのが初めてだったのですごく嬉しかった。あの絶妙な合いの手ができたことに感動した。帰りも友達とずっと「T・E・L・E・P・H・O・N・E〜 イェーイェー テレフォン・ラブ〜♪ 」と歌いながら帰った。そんなことで盛り上がれる友達がいることがとても幸せだなと感じた。シティー・カントリー・カフェにも行った。友達が『すーちゃん』を教えてくれる。当時まだ20歳そこそこの私は、淡々とした話だなと思いながら一読し、途中でやめてしまったのだけれど、後日改めて読んだらとても心に刺さってしまった。

下北沢は音楽や本、洋服まで含めた様々なカルチャーに出会えた場所。もっと活発な学生として、SHELTER、GARAGE、CLUB Queなどに通っておけばよかった、と今になって思う。ノスタルジーと後悔も渦巻く街。大工事はいつ終わるんだろうか。元の地形すら忘れてしまいそうなので早く再開発の完了した下北沢を見てみたい思い。

 

さて、今回の下北沢遠征のメインはK-PROカーニバル@北沢タウンホール

元々は、中村佳穂×UAの名古屋クワトロでのコラボライブのチケットを取ろうと思っていたのだが瞬殺で無くなり、悔しい気持ちから思わず取ったチケットだった。出演陣がとても豪華だったので、あの時とっさの切り替えでチケットを取った自分を褒めたい。

個人的に特に楽しみにしていたのは、宮下草薙、まんじゅう大帝国、ザ・マミィ、コウテイコウテイがこんなに早く、しかも東京で観れると思っていなかったのでとてもわくわくしていた。元々出演予定のマツモトクラブもとても楽しみにしていたのだけれど出演できなくなってしまったのは非常に残念だった。その代わり、直前に発表された追加ゲストがうしろシティでとても嬉しかった。令和突入とともに一気に脂がのっている令和の怪物と未来の高額納税者をついに生で。

前段が非常に長くなってしまった。以下、ライブレポ。

ネタ自体のネタバレはなるべく無いようにレポートするつもりだが、実は今回のライブから、動画配信サービスの”Paravi”でK-PROのライブ映像が配信されるらしい。フリートーク部分が配信されるかはわからないけれど、フリートーク部分は備忘録も兼ねて少し触れる予定なので、もしも少しでもネタバレしたく無い方はそっとブラウザを閉じてください。

 

オープニングMC:まんじゅう大帝国、ザ・マミィ

まず、最初に舞台に現れたのはまんじゅう大帝国とザ・マミィ。なんてほのぼのと可愛らしい組み合わせ。まんじゅう大帝国、出会ったのがだいぶ初期だったということと、お二人の童顔とも言い難いけれどなんだかキャラクターのような可愛らしいビジュアルから、いつまでも揃いの衣装でコミカルにもちもちと動く山上兄弟のような微笑ましい目で見てしまう。と書いてからふと気になって調べてみたら、山上兄弟もまんじゅう大帝国も同世代だと気づいた。なんと。ふと思い浮かんだ「てじな〜にゃ」がこんな繫がりを見せるとは。まさにイリュージョン、手品のようだ、と思い浮かんでしまったのだけど、令和の時代にこんな寒々しいことを真顔で書こうとしていたなんて自分のナンセンスさに失笑。供養。

舞台上の二組からは、非常に可愛らしい、平和なやりとりが繰り広げられていく。

ザ・マミィの平場の喋りを見るのはテレビ以外で初めてなのだけど、なんとも素敵な空気感だ。酒井さんがずっとふわふわしていて、英文をそのままGoogle翻訳かけたみたいなたどたどしい日本語で話し始めたり、話しながらまんじゅうの方にジリジリと近寄って行って林田さんとがっつり被って縦のフォーメーションになってしまったり。話の途中で、「ねぇ?」って林田さんに同意を求めようとして、舞台に完全に背を向けて顔を付き合わせて、林田さんとの距離感に驚いたようなリアクションの酒井さんと、思わず声をあげて笑ってしまう林田さんのやりとりがとても微笑ましく面白かった。「こんな広い会場で、縦のフォーメーション?!」

ENGEIグランドスラムに出演した時のこと。かが屋→まんじゅう大帝国→ザ・マミィの流れがまさにK-PROライブを彷彿とさせてあまり緊張せずにいられたという話は少し感慨深い。あんな特別感のある特番で、自分のホームのように芸事ができる心と、その環境を作り出せる横の繫がりは素晴らしい。こうやって横の世代で団結してのびのび活躍してくれるのなら、確かに周りは安心できるし扱いやすい。こうやって世代ごと躍進していくのかと思うと。すごいぞ「第7世代」。

それ以外にもENGEI関連で楽しい話がいくつか。最初の、友近さんとCHAGEさんが歌って第7世代が浴衣でわちゃわちゃするシーン。林田さんはリハの時から楽しすぎて、本番になるときには、笑顔が広がりすぎて、その割れ目から顔がベロンと裏返って、自分の内側が外側に出ちゃうんじゃないかと不安になっていたらしい。はやる気持ちを一生懸命抑えながらはしゃいだとのこと。

竹内さんのせり上がり時カメラ目線に関して。出番前に、マネージャーさんとどんな顔でせり上がればいいか、というのを話していた竹内さん。ちょっと座りのいい顔をしようと思っている、と言う話をしたら、マネさんから「せり上がり時のカメラは、コンビどちらかの側から撮影している。赤いランプが付いていたら、そっちが撮影しているから、カメラ目線でも狙ってみたら。」と言われ、「そ〜っすね〜」など軽くやりとりをしていた。実際にせり上がっていく時、少し顔を作って楽しんだあと、ふとカメラを見ると赤いランプが付いている。「お〜!俺の側だった!!」と嬉しい気持ちをぎゅっと噛み締めた顔があの顔だったらしい。録画の残っている人はぜひチェックしてみてください。とてもいい表情されてます。

バッジの話。竹内さんの家には、皆勤賞の賞状など、あらゆる”おめでたいこと”に関するものを飾ってある「おめでたい棚」があるらしい。ENGEIのバッジはそこに飾ってある。林田さんは、いつか面白いことが起こるるかもしれない、と常に手持ちのバッグに入れて持ち運んでいたらしいが、ちょうどライブ当日にカバンから出して部屋で保管することに決めたらしい。酒井さんは実家の神棚に祀ってあって、毎日拝んでいるらしい。このバッジを持っていたら養成所の講師にもなれる、と主張し始める酒井さん。印籠のようにかざしながら「静かにしなさ〜い」なんて言う講師は嫌だよね、と言う話で終わりかけたところ、「講師を目指すよりも、ちゃんと芸人としてもっと活躍していこうよ」と突っ込んだ林田さんが素敵だ。

 

■さすらいラビー 宇野さんの自己紹介

 私は初見のネタ。冒頭にふさわしい達者感とスピード感。中田さんのツッコミボケが冴えていた。とても面白い。途中ちょっとした毒吐きで会場がとてもうけていた。お笑いライブ事情に疎い同行者は訳がわからそうにだんまりしていた。

■おせつときょうた 新しいことわざ

 初めてちゃんとネタを拝見した。ありそうことわざネタはいろんな芸人が手を出していたりするけど、ことわざとしてありそう、よりも、シチュエーションとしてありそう、の方に振ったあるあるネタに近いものだった。平和な世界観でずっとみていられる。

■ランジャタイ 小・中学生の頃の話

 初めて生で観た。最初から最後まで笑いっぱなしで、涙が止まらなかった。すごく長くやっていたようにも思うし、幻みたいに一瞬だった気もした。とんでもない。もっと生で観たいと思った。

■まんじゅう大帝国 お金を増やしたい

 ずっと二人のやりとりを聞いていたい。紙幣は印刷できる枚数が決まってる、特別な紙・特別なインクを使ってる、と正しい知識を持って竹内さんを制してくるかと思いきや、勘違いを優しく泳がすバランスがいつ聞いても最高。関連して出てくるワードのチョイスが絶妙。絵を描くといえば世界堂だよね。オチでにこにこになる二人でこっちも笑顔に。

 

中MC①:うしろシティスタンダップコーギーパーパー

ほとんどスタコにスポットライトが当たり続けたMCタイム。このライブの前にも無限大ドームでライブがあって(〜俺のラブソング!〜)、慣れない無限大の演出(出囃子鳴ってる間、照明がぐるぐる回ってステージを照らす)に、出るタイミングがわからなくなったうどんさんが舞台に飛び出して、「あれ?まだ出るタイミングじゃなかった?」と不安になって急いで袖に戻ってからまた舞台に出ようとして、わちゃわちゃしているうちに尻餅を付く形で舞台上で一人で大コケしたという話が、まさに、といった感じですごかった。転び方のたとえで、「昔インパルスの堤下さんがやっていた、テディベアの一発ギャグみたいに・・・」とうどんさんが言っていて、私は爆笑した。会場にも何人か爆笑している方がいたけど、演者含めポカンとしてしまって、うどんさんと一部の客だけが爆笑している光景を三森さんがしっかり突っ込んでくれた。

うしろシティのお二人は、スタンダップコーギーの二人とはほぼ初めての共演らしく、うどんさんが奇声を発してしまう、ネタがうまく進んだことがない、といった説明にずっとはてなを散らしてました。パーパーに「何かこの二人にアドバイスはないの?」と振ると、星野さんは「意外と芸歴長いから言えることがない」、あいなぷぅは「メガネしているとまともに見えるのに、実際がそうじゃないから、メガネを外した方がいい」との意見。うどんさんが、メガネを外すとイケメン、山田孝之に目元が似ている、という話で眉毛より上、目元より下、をそれぞれ手で隠してみんなに似ているかどうか意見を仰ぐうどんさん。結局、「山田孝之の”そこ”だけ注目して見たことないからわからない」という結論。今日のスタコはちゃんとネタができるのか、果たして三森さんはボケることができるのか。と煽りを入れて締め。

■ストレッチーズ 水掛け論

 好きなネタ。非常にテンポがよく、ツッコミワードも頭に残りやすい。お笑いに詳しくない同行者が、一番印象に残ったと言っていた。後半、立場が逆転したり、また戻ったり、気づいたら事実が裏返ったり、裏返るべきことが裏返らなかったり。”ウケ”と”面白い”のバランスが絶妙。

ナイチンゲールダンス お金持ちのパーティをぶち壊す

 ちゃんとネタを見るのは初。勢い系に見えて、一つ一つのボケがしっかりしてる。このネタだけを見た状態では、どっちがボケでどっちがツッコミなのか断定しづらいようなコントネタ。面白い。ネタ内のキャラもあって、ヤスさんの漫画の主人公オーラがすごかった。他のネタも見てみたい。

■ザ・マミィ うーちゃん

 やったー!生でみれた〜!ととても嬉しくなった。MCでのたどたどしい酒井さんをみた後なので、やっぱりこの人はコントの人だ…となぜか胸が熱くなった。うーちゃん可愛い。林田さんの演技が最高。

スタンダップコーギー 自殺を止める

 初めて見るネタだったので、本当にどこまでが台本通りで、どこまでがアドリブなのかわからないまま終わった。どっちにしたって面白い。三森さんが、出したかったボケどしっかりできたみたいで、こっちも嬉しくなってしまった。

コウテイ ホスト

 生で見るコウテイはすごい。勢い100万倍〜◎ライブ尺で見るのは初めてなので、みたことないくだりなどが差し込まれていて全部面白かった。マイクを微調整していい声を届けようとする九条さんがなんか素敵だった。ランジャタイ、ナイチンゲールダンスの時も思ったけど、舞台上って広いんだなぁと感じた。

 

中MC:さすらいラビー、ランジャタイ、コウテイ

東西のわちゃわちゃをまとめるためにMCを頼まれたというさすラビ。九条さんのズィーヤを真似て「ヤーズィ」と、動きも言葉も逆のギャグを何度もやる国崎さんがよかった。コウテイとランジャタイは共演したことがあって、その際、国崎さんは舞台袖ではしゃぎすぎて、幕引きなどを担当しているスタッフさんが乗っている脚立?椅子?にぶつかってスタッフさんを落としそうになってしまい、本当にその劇場を壊してしまうところだったとか。後でしっかり謝ったそうです。その時か、別の時か、うろ覚えですが、ランジャタイがネタやってて、なんかすごく盛りだくさんだな、と思って後から聞いたら17分ネタやってたらしい笑。すごい。17分の漫才見たい。

ランジャタイもコウテイも、みんな髪型が変だ、という流れ。国崎さんは千円カット、コウテイの二人は一応美容院?(よく覚えていない…)、伊藤さんは?と振られると、「自分で切ってる」「自分の髪の毛を誰にも触らせたくない」と強烈なクセを発揮していた。コウテイ、国崎さんが楽しそうにしていてよかった。この話の流れの中で、中田さんが一生懸命髪をかきむしって変な髪型になろうとしていた(なれなかった)のが良かった。

 

パーパー 別れ話

 好きなネタ。あいなぷぅも星野さんも、演技がすごくうまいのか、それぞれのキャラにあったネタを作るのがうまいのか、いつもキャラと二人の親和性がよくて素敵。ところどころ、見たことある内容から台詞が絶妙に変わっていて良かった。

ファイヤーサンダー 寿司屋

 初めて見るネタ。設定などはよくありそうなモチーフなのに、突っ込みの発声、大将のキャラクターが何とも面白くて、こんなの、笑っちゃうよ。個人的にはオチがとても好きだった。

宮下草薙 グッズ

 初めて見るネタ。新鮮な気持ちでネタがみれて、しかもそれがとても面白くて、すごく良かった。宮下さんが考える、”宮下草薙のグッズ”が何とも絶妙で、それが面白かったし結構ウケていた。大きな掴みの前の小ネタ、あえてなのかはわからないけど、新しいフェーズに突入しそうな二人にワクワクした。草薙さんのボケがウケすぎて、宮下さんのツッコミが聞き取れなかった部分があった。残念だったけど、それくらいウケていた。

うしろシティ 会議

 初めて見るネタ。金子さんの役が何とも金子さんで、すごく良いネタだった。ネタに関わることになりそうなので詳しく言えませんが、同行者との間で国名を略すのが少し流行りました。小ネタの伏線回収の絶妙な緩急が良かった。

 

エンディングMC:宮下草薙+全員集合

宮下草薙が二人で登場し、みんなが出てくるまで不安そうに袖をちらちらとみる草薙さんが、らしくて良かった。慣れないMCにわたわたする草薙さんと、段取りの書いたカンペを見ながらも積極的には仕切らないマイペースな宮下さんの対比が宮下草薙っぽくて良かった。まずは関西ゲストのコウテイに話を振ろうとる草薙さん。九条さんが、「みんな写真撮ってるけど、良いの?」と質問して、草薙さんが「エンディングは写真撮ってもいいんです!」と行った後に宮下さんを睨みつけるようにして「本当は宮下がそういうの言わなきゃいけないんだよ。宮下が言わないから九条さんがフォローしてくれた…」とぶつぶつ言っていたけど、宮下さんは悪びれる様子なく、スンとしていて良かった。写真撮影OKとわかった九条さんが宮下さんの横に行って宮下さんの肩に手を置くようにポージングをしながら、写真撮ってくださいと言わんばかりのキメ顔をしているのが、まさにファン歓喜といった感じ。まんざらでもなさそうにキメ顔をする宮下さんも良かった。対抗するように、下田さんが草薙さんのところへ行ってわちゃわちゃしてるのも良かった。二人で手押し相撲をする流れになるも、草薙さんが本当に手押し相撲を知らなさそうでポカンとしていた。速攻で草薙さんが負けていたが、負けたことすら自覚していないようだった。

草薙さんが話してみたい人を呼び出してみよう、という流れになって、うーんと散々悩んだ草薙さんが指名したのはファイヤーサンダー崎山さん。崎山さん本人も、周りも、何で??ってなりながらも崎山さんが舞台中央に。藤田さんも付いてくる。お決まりの一発ギャグも披露。結局、何で崎山さんを指名したのかもわからないまま、目立ったハネもなく舞台上が困惑に包まれたところで、癇癪を起こして崎山さんを舞台中央から端に追いやる草薙さん。どんな仕打ち?

その後、トリを務めたうしろシティから阿諏訪さんを舞台中央に呼び出すも、結局話が弾まずに「下がれ下がれ!!」と癇癪を起こして阿諏訪さんの背中を押して端へ追いやる草薙さん。

「他に誰か、話したい人いませんか?」「告知とか、ありませんか?」と挙手を煽るも、散々な仕打ちを目の当たりにして誰も前に出たがらない。コウテイがこの後のライブに続けて出る旨告知した程度だったかと。

そんな中、ランジャタイ国崎さんが挙手して、マツクランジャタイ(マツクラさんとの合同ライブ)の告知をして、モノマネをしたいと言い出す。伊藤さんに「手をこうして、」と布団役を任命。国崎さんもその横で布団で寝るようなジェスチャーをした後、「はっ!…気のせいかっ。」と放置少女の草薙さんのモノマネを披露。草薙さん「それ俺じゃねーか!」さすが。

最後の締め後、暗転後みんなゆっくりはけていく中、最後に軽く客席を振り返ってお辞儀した草薙さんが印象的。そういうところか。

 

ライブ中、どこの下りだったか忘れてしまったのだけど、「お前もう喋んな!春日部紅さそり団みたいにしとけ!」っていうツッコミがあって、めちゃくちゃ笑ってしまった。懐かしい。スタコのうどんさんが言っていた気がするけど、うろ覚え。

 

久しぶりにお笑いライブが生でみれてとても楽しかった。どのネタも多種多様に面白く、改めて豪華メンバーだったな、としみじみ。観れて良かった。

帰りの車で、漫才師・コント師それぞれにとってのオチ、「ウケの量」と「面白い」の差、などを悶々と考えていた。深いテーマだ。お笑いに詳しくない同行者が、宮下草薙スタンダップコーギー、ストレッチーズは特に面白かったと言っていた。でも横で観ていて、同行者のウケ量が多いな、と感じたのは別のコンビだった気がしたから、やはりその場で瞬発的にウケる”面白い”と、心に残る、印象に残る意味での”面白い”はまた別なのか、などと考え始めると楽しかった。

もっとたくさんライブに行きたい。是非、東海地区にも劇場を作って欲しい。

 

下北沢から群馬へと移動して、軽井沢に一泊したので、その辺の話も近いうちに書きたい。そのうち、近々。

小心者は何者かになりたい

ツイッターを新しく作り直して、ブログもちゃんと動かそうと思った。

いつも名前などもちゃんと考えずに登録するが、今回はちゃんと自分に名前をつけた。

私の名前をローマ字で表記した際、一番多く使われている文字はMなのですが、きっとこれから結婚などの転機が訪れると、Mを一つ失う可能性がある。いつか失われてしまうかもしれないM一個に思いをはせて、えみこ("M"="emm" ikko)と名乗らせていただきます。我ながら良い塩梅にダサい。でも自分に名前をつけるというのは何だか不思議な感覚だ。愛着が湧くと良いな。

 

急にこんなに色々と動こうと思ったのにはいくつか理由がある。

まず第一に、このブログの最初の記事でも書いたが、ちゃんと文章に感想や思ったことを書き起こすようにしたいと思ったこと。

だいたいいつも、何かを見聞きするとすごく良いなとは思うのだけど、「最高」「良い」などの極めて簡単な感想で終わらせてしまうことが多い。そんな体たらくなので、「最高」の中でも「本当に最高」と思ったものをすぐに思い出せなかったり、何が当時の自分の琴線にそんなにも触れたのかを忘れてしまうことが多い。せっかく今は自由な時間があって、好きなものを楽しむ時間や、それをちゃんと言葉にする時間もあるのに勿体無いなと思ったので、文章に書きとめていきたいと思った。

 

第二に、周りに同志がいないこと。こんなことを書くとこれからとても悲しい話が待っているのではないかと身構えさせてしまうかもしれないが、友達はちゃんといます。でも、転勤族の営業職なので、いつどこに配属になるかもわからず、今も地元からは離れていて、周りにいる人たちもいつどんなタイミングでどこかへ行ってしまうとも限らない。加えて、私の周りの人の多くは、なんとなく私が音楽やお笑いや本などが好きなことは知っているけど、具体的な好きなアーティストや芸人の話をすると、みんな一斉にガラス玉のような目に変わってしまう。熱く語れば語るほど、相手との心に距離が生まれ結果的に「なんだか楽しそうで良いね」などの「私が語った内容」よりも「私が好きなものに対して何か熱い想いを持っていること」に対する感想をもらうことが多い。ネット上には、同じように感動を分かち合えそうな人がたくさんいるのに、現実世界の私はいつも孤独に物事を楽しんでは一人でホクホクと笑顔になっている。それでも十二分に幸せな状態ではあるのですが、最近はなんだか妙に物寂しくなってきた。誰かと感想を言い合えたりしたら・・・、というのは非常に高望みなので、まずは自分の感想を発信することで誰かに届けば良いな、それで相手も「わかる」なんて少し微笑んでくれたりしたら。もうその想像だけで嬉しい。どこかの誰かに届けば良いな。

 

第三に、私自身、本当は自分の意見を述べるのが非常に苦手なこと。根っからの事なかれ主義なので、人の意見に同調してしまったり、自分の意見なんて言ったところで…と思って口に出さないことが多い。なので、おそらく自ら積極的に人を辿っていけば巡り会えているはずの同志にも巡り会えず、そんな自分を嘆いている。小心者で自ら行動しない自分に非があるということは重々承知です。ただただ黙ってにこにことしているだけでは、素敵な出会いも巡ってこないのです。もうどうあがいても「大人」としか分類されない年齢になってきたので、いつまでもこのような人付き合いが続いてしまっては、素敵な出会いを逃してしまうだけではなく、いつか自分の意見や感想を持たなくなってしまう可能性すら感じてきて、少し怖くなってきた。私は人間だ。人間とは、思考する生き物だ。自分の意見を述べることで、社会性を高める生き物だ。このままではいつか考えることを放棄してしまいそうだ。

自分の意見をちゃんと発信できる形にまとめて、発信していく。その練習の場としてここを使っていきたい。だから、かなり拙い感想や意見が多く飛び出してくると思います。言葉選びに失敗して不快な思いをさせてしまったり、逆に長い文章を書いているわりに何の芯も食わないぼんやりとした話に終始してしまったりすることが予想されます。

私は自ら発信し、社会に飛び込む術を履修している身です。まだリハビリ中です。暖かい目で見守ってください。

 

まだまだ小心者で、今は自分がどういう人間なのか、自分自身でもあまりわかっていないような私です。

でも、ブログを書くことで、自分自身のことを自分でもわかっていきたい。

そんな思いで「小心者は何者かになりたい」と銘打ちました。

ツイッターと合わせて、とりとめのないことを書いていくと思います。

よろしくお願いします。